──たしかに割合としては、多いかも。
永積もちろん自分もそういうことが言いたいって気持ちもあるんだけど、むしろ、それすらも笑いたいし、笑ってほしいっていうか。なんか、そのへんも自由でありたいんだよね。ハナレグミっていうヘンテコな名前にしたのも、そういう思いがあったからだし。『ハンキーパンキー』とか『サヨナラCOLOR』とかを聴いて、「ああ……」って思ったあとでも、“この人、名前変だよね!”みたいなツッコミどころがあるっていう。それが自分にとって一番ちょうどいいサイズなのかなって、最近よく思う。
──それこそ、「ハンキーパンキー」の次に「嘆キッス」をさらっと歌えるような。
永積うん。そういうものを全部ブチこめるのが自分の音楽なのかなって思うんだよね。
──シリアスな半面、どこか、すっとぼけてるっていう。
永積そうそうそう!! 最近またヒドいんですから、すっとぼけ具合が(笑)。だいぶ治ったんだけど、こないだも、うっかり目の上を切っちゃってさ。
──うわ、どうしたんですか!?
永積地方に行ったとき、パーキングエリアで買い物して、車に戻ろうとして横を見たら、ちょうど友達がトイレから出てきたの。で、オーイって手を振りながら歩いてたら、国旗とか立ててあるポールに、すごい勢いでバコーンと顔から激突しちゃって(笑)。で、また、ああいうとき周りを歩いてる人たちって、案外、知らんぷりするんだよね。悔しいから、わざと大騒ぎしてやっての(笑)。「痛えええ〜!」って、おおげさにクルクルまわりながら。
──ある意味、ブルージーな……(笑)。
永積ちゃくちゃブルージーな光景ですよ(笑)。けど、そんな俺もハナレグミなんですっていう(笑)。ちょっと、その感じをここでもう一回出したいなと思ってるんだよね。
──今回は2days公演。ズバリ、日によって異なった内容になりそうですか?
永積猛烈に内容が変わっちゃうような気がするね。たぶん、いつものようにその場の雰囲気で、曲を変えるんだろうけど……久しぶりすぎて“ワンマンライヴってどうやってやってたんだっけ?”って、正直、わかんなくなっちゃって(笑)。
──そこまで戻っちゃった(笑)。
永積そう、戻っちゃったの。 だから……どうしようね(笑)。
──ダハハハ! それを僕に聞かれても(笑)。
永積まあね(笑)。結局は、この2年ぐらいの間にやってきたことが、そのまま出るんじゃないかなって思うけど。
──そう考えると、公演タイトルも、ここ最近のハナレグミをすごく象徴しているような・・。
永積そうだね。『弾きが旅だよ人生は!』っていうのは、さっき話した地方でのツアーってほどでもないんだけど、ギター片手に、この春、地方を旅していたときの隠れタイトルだったんだ。去年ぐらいからなんとなく、やってみたいなと思っていたんだけど、今年に入って、徐々にそういうことができるようになってきてさ。もしかして、今の自分は、こういうことをやりなさいっていう流れの中にいるのかなと思って。そんなことを考えながら旅をしている途中で、この言葉が自然に出てきたんだよね。
──ワンマンの1ヵ月後にはSUPER BUTTER DOGのイヴェント『ファンキー大百科』も控えています。
永積今年に入って、バタードッグで久々に演奏してみて、改めてダンスミュージックの面白さに気付かされたところがあって。ハナレグミでやってるようなフォークミュージックと、ダンスミュージックって一見、かけ離れているように思えるけれど、自分の中では、すごく自然な形で、ふたつが結びついてるんだよね。実際、ハナレグミで弾き語りをしてるときも、僕は常にグルーヴを感じていたいと思ってるしね。
Text : 望月哲
弾きが旅だよ人生は! «YOYOGI DE 360度ステージ囲みまくって熱唱しまくっちゃいナイト»
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