。小金井公園で行われたフリー・ライヴから早2年。指折り数えてこの日が来るのを今か今かと待ち続けてきた人も、本当に多かったことだろう。あっという間にチケットが売り切れてしまったという事実もさることながら、会場を埋め尽くしたオーディエンスたちの、なんとも嬉しそうな表情が、そのことを何よりも如実に物語っていたワケで。左右前後、どちらを見回しても、ハウ・メニー・いい顔! 会場を覆いつくすピースフルな雰囲気に、いやがおうにもライヴへの期待が高まっていく。
は客席に周囲を360度ぐるりと囲まれた特別仕様。ステージの上には、タカシくんの自宅から運び込まれたというソファーをはじめ、観葉植物、室内用のスタンド・ライトなど、さまざまなインテリアが、そこかしこに。永積タカシ・プロデュースのカフェなんてのがあったら、きっと、こんな感じになるのかな~……てなことを、ぼんやり考えてると、おもむろにメンバーがステージに登場。この日のライヴで、バックを務めたのは原田郁子(fromクラムボン・key/pf/cho)、曽我大穂(from CHINEMA dub MONKS・b.harp etc.)、辻村豪文(fromキセル・g/cho)、鹿島達也(b)、Pすけ(d/p/cho)といった面々。「いらっしゃい」という挨拶から、1曲目の「かこめかこめ」がスタート。「♪かこめかこめよ、ステージかこめ/子供は託児所預けて、さあかこめ」というフレーズに客席がどっと沸きあがる。そう、この日の会場には「子供連れのお客さんにも、気兼ねなくライヴを楽しんでほしい」というタカシくんの要望のもと託児所が設けられていたのだ。続けて「心空」「マドベーゼ」「男の子と女の子」といった静かめのナンバーをタカシくんがギターの弾き語りでしっとりと演奏。息使いまで伝わってくるような生々しい歌声と、ささやかに爪弾かれるギターの音色が、たしかな体温をともなって会場をゆっくりと満たしていく。
は何をしていたのかというと……ステージ後方に置かれたテーブルやソファーで、ドリンクを口にしたりと思い思いにくつろいでいる。タカシくんが歌う姿をリラックスした様子で見つめる、そのまなざしは完全にお客さん目線。う~ん、自由だ。そしてカーティス・メイフィールドの日本語カバー「People get ready」「ハンキーパンキー」を挟み、タカシくんの呼び込みに応え、この日、最初のゲストとして、BIKKEが飛び入りでステージに登場。「今日は客として来てたのに……」と苦笑いしつつも、アコースティック・セットで「ナタリー」を共に披露。こうした嬉しいハプニングに遭遇できるのも、予定調和を嫌い、その場のノリを何よりも大切にする、ハナレグミのライヴならではだと思う。
弾きが旅だよ人生は! «YOYOGI DE 360度ステージ囲みまくって熱唱しまくっちゃいナイト»
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